2024年 12月 30日
まだトレードしてる人なんているの…?とも思えるタイミングで、Xにて海外FX界隈のトレンドに「出金拒否」が浮上して盛り上がっていました。

ThreeTraderの出金に関するトラブル報告を複数確認

DMでも同様のトラブル報告がありました。

詳細を確認したところ、アービトラージや不正取引とは無縁の方のようでしたが、個人を特定されたくない、交渉に影響を与えたくないとのことで、掲載はNGでした。

履歴を拝見したところ、あくまで個人の判断ですが、問題のある取引だとは思えませんでした。

出金拒否はよく聞く話ですが…

出金完了後に取引を不正とみなし返金を要求してくる事案は前代未聞です。

メールの文章にある「追加的な対応」が具体的に何を指すのか不明ですが、ユーザーは業者に個人情報を握られているため、脅しと感じた方もいるようです。

返金要求額が少額であること、返金請求されたユーザーの取引タイミングがバラバラである事は確認できました。

Xでの社員見解は以下の通りです。

この件が最終的にどのような結果になるのか、追って追記しようと思います。


海外FX業者 ThreeTrader の兵団評価について

ThreeTraderは評価済み業者になります。

ThreeTrader
調査兵団評価ユーザー評価 (0)

兵団評価には一定の基準が存在し、IBリンクの有無に関わらず、忖度は一切ありません。
本件を踏まえ、兵団評価は下げざるを得ないと考えています。

ThreeTraderはユーザーの9割近くが日本住居者であり、日本人をターゲットに集客をしている海外FX業者です。

threetrader.comへの国別アクセス割合(similarweb)

オーナーが日本人であるとの噂もあるようですが、登記はオフショアでありノミニーで構成されているため詳細は不明です。

ThreeTrader側の説明や主張にはいくつか矛盾点が存在します。

①A-Book運営であるとして集客をしているが、実際はB-Book運営

A-Book運営であればレイテンシーアービトラージで利益を上げることは困難ですが、ThreeTraderでは可能な時期がありました。兵団でも仕様を確認しています。
【参考】半兵衛さんnote ThreeTraderでレイテンシーアービトラージをやってみた話

ThreeTraderは今回の返金要求においても、半兵衛さんnoteに掲載されているのと同じ規約条項 15.1(j) に対する違反だとしています。

15.1(j) We consider that there are abnormal trading conditions.」
(我々が異常な取引状況と捉えた場合)

つまり、スリトレがダメといえばダメという内容です。
ジャイアンか…?

このような事案を事前に把握していたため、実際にはB-Book運営である可能性が高く、不誠実な部分がある業者だと判断し、兵団レビューの“信頼度”評価に反映しています。

②禁止事項がないとの発言について

禁止事項がないのであれば、不正取引は発生しようがありません。
実際には半兵衛さんnoteにもある通り、条項15.1(j)を盾にした出金拒否を複数確認しています。

ThreeTraderの一般社員がB-Book運営を把握していたかどうかは分かりません。
かつてのSens●sのように、ほぼ全ての社員がAだと信じていたが実際にはBだったという事例も、海外FX界隈ではありがちです。

③ディーリングデスクがないとの発言

上記のディーリングデスク(DD)は存在しないとの発言もありますが、別の社員からは、顧客の取引に関して監督する部署が存在するかのような発言がされています。

A-Bookかつディーリングデスクが存在しないのであれば、何の部署がどのような理由で異常な取引と判断したのでしょうか。

ちなみに、“元本は必ず返金”とありますが、一方的な主張が書かれた同意書にサインをしなければ元本の出金に応じないことが過去の事例で確認されています。LAN◯FXかな?

①の件でB-Bookである可能性が高いと判断されるため、ディーリングデスクはないとする主張を信じるのは難しいように思います。
少なくとも、顧客の取引を監視する必要があるシステムであり、利益の取り消しを判断する人間がいることが伺われます。

※規約違反としたユーザーを犯罪者扱いする対応が確認されている

ミクンディ氏は、過去にThreeTraderが規約違反とするユーザーに対して一方的に“違法行為”をしたとして犯罪者扱いをしてくる事が確認されています。【参考】

違法行為だとするのであれば、どの国の法の何条に該当するのか明示してもらいたいところです。
仮に規約違反したとしても、それは単なる自社ルールであり、違法行為ではありません。

オフショアFX勤務に関しては日本で言う証券外務員資格のような制度が存在しないため、質の高い対応は期待すべきではないと思いますが、この対応は酷い部類であると言えます。


兵団から見た感想及び考察

具体的にどの取引がどういった理由で不正とされたのか、詳細は開示されていません。
そのため、Xでは様々な方がそれぞれの立場で憶測やストーリーを語っているようです。

過去にはレイテンシーアービトラージ(カモフラージュあり)、SWAP設定ミス、リワード設定ミスによりユーザーが大きな利益を得られた事がありましたが、いずれも修正前であれば問題なく出金できていたことを確認しています。
かつて経営に余裕があった、もしくは、集客期だからか?雑な経営をしていたとも言えそうです。

非対称スリッページが導入された後は、レイテンシーアービトラージはワークしませんし、通常トレードでも実質取引コストが高くなっていました。
そのため、顧客の取引条件は悪化したものの、経営リスクは減ったと判断していました。

Xにはスリトレの息のかかった人間も多く、出金拒否情報が表に出てくることはないし、メジャークロスペアの取引コストが非常に低く設定されていることもあり、ある程度は集客はできている、現行では出金拒否とは縁遠い、経営に余裕がある業者だと認識していました

年末までは。

今回の件が特殊なのは、出金拒否事案だけではなく返金請求事案であることです。

これは単なる表現の違いではなく、今回の件からは普段は出金時に顧客の取引を確認するようなオペレーションが存在しなかった可能性が浮かび上がってきます。

通常のB-Book業者は出金前に必ず顧客の取引内容や収支をチェックして、ラベル付けや今後のVDPの設定、または出金拒否のイチャモン付けが行われます。

利益相反する相手に真実を語らせるのは困難ですが…

あくまでもA-Bookとして従業員にも働いてもらっていたし、運営をしてきたが、多額の利益を出す人間に対してなりふり構っていられなくなった、と仮定すると腑に落ちる部分があります。

B-Book業者としては出金前に取引内容チェックが行われていたほうが健全ですし、今後はそうしたほうがよいと思います。

ただ、今後も高い透明性を謳い集客を続けるのであれば、リスクの高い不誠実な業者であると判断されても仕方ないと思います。

兵団としては、仮にBook運営だとしても、出金問題さえなければ利用価値はあると考えているため、今回の事案は非常に残念でした。

海外FXは国内法で守られることのないサービスであり、利用は自己責任です。

兵団としてはもう利用することはないかもしれませんが、今後の動向を注視したいと思います。