11月16日に報道された、特定危険指定暴力団 工藤會(工藤会)幹部が逮捕された件について、Twitter(X)で話題にしたところ、若干バズりました。

日本では逮捕後に刑事裁判で起訴される流れが想起されます。

令和4年版犯罪白書によると、刑事裁判確定における有罪率は、99.80%という高い確率を示しています。

ただし、これは起訴された場合の結果になります。

不起訴率は約62%であり、逮捕=有罪確定ではないため、疑わしきは罰せずという原則を踏まえて考えなければなりません。

現段階で起訴内容が確定しているわけではないため、報道された内容から警察がどのような嫌疑をかけているのか読み解くのが筋です。

主な報道内容は以下のとおりです。

各社の配信ガイドラインを考慮した上で抜粋し、重要と思しき部分をマークしています。

【共同通信】
服役中の工藤会幹部逮捕 「さらに隔離しダメージ与える」

福岡、沖縄県警の合同捜査本部は15日、国の登録なく金融商品の取引を行ったとして、金融商品取引法違反の疑いで、服役中の特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)幹部緒方哲徳容疑者(48)を逮捕した。

逮捕容疑は2018年11月~21年8月、国の登録なく複数の顧客と投資一任契約を結び、FXの自動売買システムを使い資金運用した疑い。

【NHK北九州】
不正FX取引の疑いで工藤会幹部逮捕 資金源の可能性も

警察によりますと4人の共犯者とともに、平成30年から令和3年にかけて投資運用業の登録を受けずに、14人の顧客と投資を一任する契約を結び、外貨を売買する「FX」の取り引きをしたとして金融商品取引法違反の疑いが持たれています。

共犯者4人はすでに有罪判決を受けていて、その捜査の過程で、幹部が顧客の勧誘や口座の管理などを指示していた疑いがあることがわかったということです。

警察によりますと、ほかにも300件近い契約が結ばれ、取り引きに伴う報酬など少なくともおよそ5600万円が幹部のもとに渡っていたとみられるということです。

【FBSニュース】
金融商品取引法違反事件 工藤会幹部を逮捕 工藤会の資金源か

必要な登録を受けずに金融商品の取引を行うなどしたとして、特定危険指定暴力団・工藤会の幹部が逮捕されました。
(中略)
集めた資金は、海外の証券会社で外国為替証拠金取引の自動売買システムを使って運用していました。

【読売新聞】
工藤会の資金源か、無登録で金融商品取引業営んだ疑い…福岡市博多区の48歳幹部を逮捕

発表によると、容疑者は親交者ら4人と共謀。2018年11月~20年3月頃、国の登録がないのに、長崎県佐世保市の男性(48)ら投資家14人と外国為替証拠金取引(FX取引)に関する投資一任契約を結び、21年8月までの間、システムを用いて金銭を運用するなどした疑い。

勧誘した投資家は280人に上り、海外証券会社に口座を開設投資家の取引量に応じて証券会社から紹介料が入る仕組みだったという。容疑者らは18~21年、少なくとも5400万円を得ており、福岡県警は工藤会の資金源になっていたとみている。

各社報道内容から、海外FXユーザーが気になるであろう要点をまとめると以下のとおりです。

  • 罪状は金融商品取引法違反
  • 投資運用業未登録で代理運用したことが罪状に該当
  • 金商法違反で合同捜査が行われている
  • 勧誘行為を行いIBで利益を得ていた
  • 運用にEAが用いられていた

この中で一発アウトだと思われるのは、投資運用業未登録で一任契約を行っていた点だと考えられます。

投資助言/投資運用業未登録による逮捕者は過去にも多く存在します。

報道ベースでは一任契約の報酬形態が分かりませんが、営業行為自体が違法になります。

NHK北九州の報道では『 “ほかにも” 300件近い契約が結ばれ、取り引きに伴う報酬』があったとしていて、金商法違反による逮捕とIBでリベートを得ていた事は分けられているようにも思えます。

文脈から自動売買を用いた集客への注意喚起が読み取れますが、手口として報道されているのみです。

起訴内容にIBで利益を得る行為自体が含まれるのか、今後の展開が気になるところです。

反社会的勢力によるIB縛りEAの話はよく聞きますので、気をつけてくださいね。